「はい。これです。」
チェックシートには、会社の商号や本店など、定款に必ず記載しなければならならい事項が網羅されている。
「会社の商号素敵ですね。本店は、ご自宅ですか?」
「いえ。近くに事務所兼工場を借りていて。そこを本店にするつもりです。」
「あーなるほど。お客様や取引先の方がよくお見えになるのですか」
「はい。展示室を小さいながら設けておりまして、お客様に見て頂いております。」
「へー、それじゃそこで雑貨的な物を販売したりするのですか?」
「えー。まだ漠然と思っているだけなのですが、ゆくゆくは、小さな雑貨などを作って販売してもいいかなぁと考えています。少しずつ、業務の範囲を広げたいなと。ただ、今は忙しいので、そういうことは、後回しになってしまってますが。」
「やりたいことがどんどん膨らんできますね。例えば、他には何かお考えありますか。今は忙しいでしょうが、例えば、そう、そこで手作り教室をしてみたいとか」
「今、すぐにではないのですが、僕の妻がアクセサリー作りが好きなので、そういった教室を開きたいと以前言ってたことがあります。まだ、娘も小さいですし、先にはなりますが、ゆくゆくは、そういうスペースを作ってあげたいなぁなんて思ってます。」
「奥さん、幸せですね。」
「事業目的ですが、今のお話を聞かせて頂いたので、そのような文言を考えましょうね。」
「えっ、その看板屋以外の他にも事業目的を入れてもいいのですか?」
「えーもちろん。先ほどの、雑貨の販売とかも入れられますよ。全く、異業種の飲食店の経営だってOKです。事業内容は、会社設立してからでも、追加することもできますが、そのために登録免許税が結構かかるので、もし、予めやりたいことがあるのなら入れておいてもいいのかなとは思います。わざわざ無理に入れる必要もないですけど。」
「そうなんですね。それじゃ―アクセサリー教室を事業内容に入れてもらおうかな」
「はい。承知しました。」
「次は、公告方法を決めましょう。株式会社の場合、決算書を公告しなければなりません。その公告をホームページにするのか、官報にするのか、日刊新聞紙にするのかを決めます。」
「どれか1つにしないとだめですか」
「いえ、もちろん、官報及びホームページと定めることも可能です。しかし、定めた場合は、必ず、双方に掲載しなければなりません。」
つづく