帰りの車中、気になった点を聞いてみる
「今回、遺留分は気にしないでよかったの?」
「気にしてないわけではないよ。不動産の評価にもよるから評価が出てからでいいかと思ったんだ。今の段階で話すと、混乱するだろうから。不動産の評価が出たら、遺留分の侵害額、相続税の概算を出して、再度早瀬さんと面談かな。」
「税理士さんは、金城先生に頼むの?」
「うん。実際は、金城先生のところの誰かになるだろうけど。」
司法書士は、税理士との連携が欠かせない。特に相続案件に携わるときは、相続に強い税理士と連携できることは、とても心強い。できれば、自分でも相続税の試算ぐらいはできるようになりたいけど…
「今日は、他に気になったことはあった?」
「うん。今回の遺言とは直接関係ないけど、早瀬さんの家は先祖代々の家なんだよね?それで、早瀬さんには、亡くなったお兄さんがいた。」
「なんで早瀬さんのお兄さんが後継ぎにならなかったか気になる?」
「うん。日本の古い考えではあるけど、ああいう由緒ある家って長男が後継ぐイメージあるから」
「そうだよね。そういう意味では早瀬家は、画期的かもね。妹が婿をとって後継いでるんだから」
「早瀬さんのお兄さんはね、結婚してお嫁さんの方の婿に入ったんだよ。」
「だいぶ両家で話し合いを重ねたみたいだけど、結局今回の相談者の早瀬さん、京子さんっていうんだけど、京子さんがこの家を引き継ぐから、お兄さんの結婚を許してあげてほしいとお父さんに頼んだって話だよ。」
「京子さん、優しい人だね。実際、人柄の良さ、優しさが身体からにじみ出てるよね」
「そうだね。そういえば、今回早瀬さんには、まだ言わなかったけど、相続税が気になるんだ。とりあえず都内のマンションと自宅不動産の評価額だけでも知っておきたいから金城先生に出してもらえるよう頼んでおいて」
「評価証明・謄本・公図、建図・測量図をメールすればいい?」
「うん。」
帰りは、道が混んでおり、事務所まで60分ほどかかってしまった。