遺言⑪

翌日、時間の合間を見ては、相続税について調べていた。専門外でもできる限り自分でも調べたい質だ。相続税には、基礎控除というものがあり、その額が法定相続人の人数により変わる。

今回でいえば、万が一早瀬さんが亡くなった際、皆が生きていれば、法定相続人は、6人ということになる。そうなると、基礎控除額は、下記の計算になるはずだ。

基礎控除額3000万円+(600万×6人)=6600万

つまり、相続財産が6600万円以下であれば、相続税は、かからないということだ。

早瀬さんの現時点では、現金、株式だけで、1億は超え、ここに不動産の評価が足される。もちろん、早瀬さんの死亡まで、現金がいくらか目減りするだろうが、相続税は、出るだろう。

ここまでは、司法書士ならたいてい知っている。しかし、これから先は、司法書士の範疇ではないし、踏み込むべきではない。しかし好奇心で自由に計算するには問題ないだろう。

 

早速、次の日仕事帰りに、税理士さんが書いた相続税の本を買ってきた。

そこには、相続税の計算手順みたいなものが載っている。図が多くて分かりやすい。が、専門用語が難しい( ノД`)

 

要は、相続税の対象となる財産を洗い出し、そこから控除できるものを控除し課税遺産総額を算出する。課税遺産総額がでたら、それをもとに各々の相続人が相続する額を算出し、各人の納付する相続税を計算するようだ。相続人によっては、特例が認められ控除できたりするようだ。

 

まずは、相続税の計算において知らなければいけない用語から確認することにした。

相続財産=本来の相続財産+みなし相続財産

本来の相続財産=民法でいうところの相続財産。死亡保険金等含まない

みなし相続財産=死亡保険金・死亡退職金・生命保険に関する権利等

非課税財産=相続税の対象から外され相続財産から差し引くことのできる財産

あ 仏壇・仏具・墓地

い 死亡保険金・死亡退職金・功労金(各控除限度額 500万×法定相続人の数)

う 国などに寄付した財産

基礎控除=相続税がかからない保証額(3000万+600万円×法定相続人の数)

小規模宅地の特例=一定の要件のもと評価額の何%かを課税価格から控除できること

課税遺産総額=課税価格の合計額―基礎控除額

 

ここまで読んでいて、どうもよく分からないのが課税価格の合計額だ。何をもって課税価格とするか判然しない。自分で計算する分には差し支えないので、私は、課税価格は、下記のように定義することにした。

課税価格

=相続財産相続財産に対し相続開始3年以内の贈与財産(※1)控除できる額(※2)

 

※1 贈与財産も場合によっては、加算しない場合有

※2 債務、葬式費用、小規模宅地の特例の控除(基礎控除以外の全ての控除額)

 つづく

お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。